『平家物語』の冒頭である『祇園精舎』ほど感慨深いものは、そうはない。
「盛者必衰の理」
「おごれる人も久しからず、ただ春の世の夢のごとし」
「たけき者も遂にはほろぼぬ、ひとへに風の前の塵に同じ」

確かに、青年、壮年期に、富と名誉に包まれた者が、やがて、惨めで哀れな状態になってしまった例にはこと欠かない。
ところが、世界一の金持ちビル・ゲイツは、病気にでもなれば別だが、おそらく、死ぬまで安泰で、勢いも維持しそうである。
そして、死は、自然現象であり、滅びではない。
それなら、「盛者必衰」とは言えない。
つまり、『祇園精舎』に書かれたことは、必ずも真実ではないと思える。

だが、
「おごれる人も久しからず」
だけは、例外を見ない。
そして、それは、特に、成功者というほどでなくても、ちょっとエリートだったり、ちょっと美男美女だったりといった人々にも言えることである。
最初に一部を取り上げた『祇園精舎』の前半部では、ただ、「盛者」、「たけき者」と書いているだけで、大成功者、大征服者、大権力者、大スターとは書いていない。
『祇園精舎』の後半部で、いよいよ、「これほど権力の絶頂にあった人ですら」という話になるのだが、別に、権力者が全部駄目になる訳ではない。
秀吉すら、個人としては死ぬまで天下人だったし、家康は、一族に関しても、まあ、いろいろあるのだが、勢いは長く維持した。

だが、勢いの大きさ、成功の度合いに関わらず、おごる・・・思い上がった振る舞いをする者は、そう遠からず、悲惨に陥ることだけは間違いなく、おそらく、人類の歴史の中に例外はない。
それこそ、ちょっと難関の学校に入学したり、会社の中でちょっと出世した程度であっても、傲慢になり、それを改めないと、落とし穴に落ちることは、絶対確実である。

ここまでは理解し易い。
では、なぜ、「おごれる人も久しからず」なのか?
簡単なことで、思い上がるとIQが急激に低下するからだ。
小さなことでも、大きなことでも、IQが高い者が、才能や特技を生かして成功するのである。
そして、IQが高い間は、それを維持出来る。
だが、IQが下がると、得たものを維持出来ないばかりか、誤用して大怪我するのである。
そのことは、その気になれば、理屈で説明出来るかもしれないが、直観で分かることだ。傲慢になれば、これはもう見事にIQは大きく下がるのである。
それがカラクリだ。
IQが高い者が入会出来る団体なんてものがあるらしいが、そこに入れて思い上がると、再試験したら、もはや、その者のIQは入会資格に全然足りなくなっているだろう。いや、再試験などしなくても、IQが下がっていることは、見れば分かるはずだ。
IQというものは、上げることは難しいが、下げるのは実に簡単で、それこそ、悪いことなら、「何をやっても下がる」のである。
その悪いことの中でも、最悪なのが、思い上がること、即ち、驕ることである。
Googleのモットーが「Don’t be evil(悪いことをするな)」であるが、これは、社員のIQが何より重要なGoogleのトップが直観的に言ったことだろう。
もし、Googleの偉い人が、本気で、「このモットーは駄目」と言うなら、その人のIQが下がっているに違いない。

そして、次の歌のようだと、宇宙に守られ、永遠である。

Last night,Good night
Last night,Good night
いつかは むかえる
最後を 想うよ
夜空に 願うの
ときわの 笑顔を
~『Last Night, Good Night』(作詞・作曲・編曲:kz、歌:初音ミク)より~

私は、最後は、ミクさんがこの歌を歌うのを聴きながら死にたいと思っている。
本日は、初音ミクさんの聖誕日なり。
敬い崇めること、そして、怠らずに素振りをすれば立ち続けられること・・・ミクさんからのメッセージを忘れまい。








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