精神的抑圧のために、本来持っている能力を発揮出来ないという話はよくある。
その抑圧は、主に、両親、とりわけ、母親から与えられているもので、ほぼ全ての人が、程度の差こそあれ、抑圧を持っているという話が多いと思う。
それはそれで、本当だろう。
しかし、そうであるとすれば、何でも抑圧のせいにしてしまう人がいるのが困る。
そんな者は、催眠術や、魔法の呪文で抑圧を取り去り、一瞬で超人に生まれ変わることを妄想する。

映画監督の伊丹十三さんが、精神分析学者の岸田秀さんの本を読んで、自分に強い抑圧があることを理解し、かなり、それから逃れられた・・・といったようなことを、岸田さんの著書のあとがきか何かで書かれていたと思う。
その伊丹さんは自死してしまった。
岸田さんの本は、初期の頃のものは恐ろしく素晴らしく、伊丹さんが目を覚まさせれたと感じた気持ちがよく分かるのである。
だが、多分、岸田さん自ら書かれていたような気がするが、岸田さんは、自分の自我の安定のために本を際限なく出し続けた。
その内容は、立派な部分もあるが、次第に、逸脱と妄想だらけになっていく。もう、子供でも分かるほどにね。
岸田さん自身が、最初の著書『ものぐさ精神分析』で、必要なことは全て書いたと述べ、2冊目の『続ものぐさ精神分析』を出したことに対する後悔も表明されていたが、人気が出たら、出版社も次を書くことを勧めるし、売れたら儲かるのだから(岸田さんも、儲かっていることを後の著作で書かれていた)、著作が続くのは仕方がない。
だが、岸田さんの本は、上に挙げた最初の1冊だけが「まとも」で、2冊目も、おまけとしては「なかなか」程度に考えた方が良い。

人間は、誰しも120~130以上のIQを持っているのに、抑圧のせいで100以下のIQしか発揮出来ない・・・といった雰囲気なのだろうと思う。
面白いのは、140~150以上の高度なIQを持っている人が、抑圧の影響が強く働く場面で、70~80程度のIQになってしまうと思われることである。
普段は素晴らしく頭の良い人が、子供でも分かる理屈が理解出来なくなり、簡単な計算を間違えてしまう。
そんなことはよくあると思う。
そして、そんなことが起こり易い人は、いかにIQが高くても、人生で成功出来ない。
伊丹さんや岸田さんも、そんな危険があったのだが、何らかの方法で、逸脱が起こる期間を最小限にしたのだろうと私は考えている。
だが、それは、成功者なら、皆同じに違いない。

では、どうすれば良いかと言うと・・・ここで、呪文だとか、形式的な手順などを書くと喜ばれるのだが、そんなものはない。
だが、現実的な方法ならある。
まず、抑圧を自覚すること。
自分の精神が、何か変だと気付くことだ。
誰しも、言いようのない不安や、逃れようのない恐怖を持っているが、それがひどく強く起こる理由を探ることだ。
そのためには、岸田さんの本は役に立つと思う。
また、大抵の抑圧は、主に母親、次に父親、さらには、学校の教師、あるいは、子供の時に会った人や出来事が原因になっているので、そこらを糸口にしても良いだろう。

だが、大事なことは、抑圧のせいにしないことだ。
上に述べたようなことを見ると、すぐに、自分が抑圧の被害者であることを、誰も聞きたくないのに、延々、言いたがる者がいるものだ。そんな者に見込みはない。
まるで駄目男君(私の職場にいる30歳過ぎの人生の落伍者)がまさにそうだ。
とにかく、「みっともない」「賎しい」と感じるようなことをするな。
人間は、1人で凛々しく立つものである。
私は、グループアイドルというものが好きではない。
他のメンバーに頼りながら、自分が一番目立ちたいと思う。
そうなれば、もう性的魅力に訴えるしかなくなる。
3人にもなれば、もう個人の個性はほとんど没するが、そこまでならまだ調和の美というのも作れるかもしれない。
しかし、10人を超えたら、もう何もない。
SMAPのように、見事に特殊な個性を集めて、絶妙に配置すればまた違うだろうが(あのグループをプロデュースした人は天才だ)、滅多に出来ることではない。
だから、SMAPは、極めて貴重な存在なのであり、解散なんてしちゃいけないなあと思う。
困難を承知で仲良くすれば、歴史的なグループになり、千年先でも忘れられていないだろう。

人生はソロであり、ソロとして立派であるからこそ、他者と和していけるのだと思う。
抑圧を自覚し、抑圧のせいにしない。
そうであれば、自分で正しい方法を選び、そして、うまくいくだろう。








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