私は、ヘミングウェイの作品は一冊も読んだことがないが、コリン・ウィルソンが有名なエッセイ『アウトサイダー』で引用した、ヘミングウェイの『兵士の故郷』の一部分をよく覚えてる。

1919年に復員して故郷に帰った、若い兵士クレブス(入隊前は大学生だった)の話だ。
母親との宗教的な会話が噛み合わない中、母親が、
「おまえ、母さんを愛してくれてないのかい?」
と言うと、クレブスは、
「うん」
と返事をし、母親は泣き出す。
それで、クレブスは仕方なく、「本気じゃなかった」と言う。
すると母親は、
「わたしは、お前の母親だ。お前が小さな赤ん坊だったとき、よくお前を抱いてやったものさ」
と言い、クレブスは、かすかな吐き気を感じる。

これを読んだ私は、かなり強い吐き気を感じたものだ。
ただし、昔の話であり、今はそうではない。
今は、人間の謎が解けたので、別にどうということもない。
コリン・ウィルソンは、この話にはどんな問題があるのかについて、なんとも面倒な解説をしていた。
まあ、それを簡単に言えば、クレブスは戦争体験を通して自由な感覚を獲得したが、故郷では不自由だったということらしい。
そんなことはどうでも良いことだ。
問題は、実に単純なのである。
それは、母親がクレイブに比べ、IQ(知能指数)が低過ぎたというだけのことだ。
そんな2人の考え方が極端に違っても、不思議なことでも何でもない。
親子であるからには、生まれ付いてのIQは、クレイブと母親は、そんなには違わないかもしれない。
しかし、母親は、長年に渡って村の因習に従い、その狭い教義と信念という型を頭にはめ込んで、極端にIQが低下したのだ。
一方、クレイブはまだ若くて、しかも、さして偏見を持っていないので、生まれながらのIQを保っていたのである。

道徳教育ほど無駄なものはない。
いや、無駄どころか有害だ。
宗教もまた、世間的、権威的なものは、間違いなくそうである。
IQが低い者に、善悪の道理は理解出来ないのに、道徳教育や宗教教育で偏見を叩き込んでIQを大きく下げてしまうのだから、むしろ、それによって、さらに、道理に暗くなる。
そして、必然的に、致命的なまでに不道徳になってしまうというのは、世界中で実証済みと考えて良いだろう。
滑稽で愚かな話だ。

だから、世界を明るくする道は、全ての人が、自由な思考を持ち、少なくとも、生まれながらのIQを保つようにすることだ。
他者に害を為す者、平気で迷惑なことをする者、無神経な者は、単に、IQが低くて、頭が回らない者なのである。
テロをするような者達は、子供の頃に、しっかりとした、道徳教育や宗教教育を受けているはずであり、まさに、それこそが、テロリストを作ったのである。

けれども、ウィルソンが、『兵士の故郷』について、私のように書かなかったことは幸運だった。
今もそうだろうが、IQを低下させた世間の人々は、問題がIQであるということを決して認めたくはなく、そんなことを言えば、感情的に反発するのだ。
だから、それ(人間性の問題の核心はIQであること)を言うことはタブーになっている。

だが、世界がこうなっているのは、実は、世界の陰の支配者達の策略かもしれない。
人間にとって、重要なことは道徳や人格であるという偏見をウイルスのように広めて大衆のIQを低下させ、幼児がお菓子を取り合って喧嘩している状態にさせているのだ。
結果として、大衆は、彼らの思うがままなのである。
一流大学に入る程度のIQなら、彼らの足元にも及ばないし、本当に優秀な大学生なら勧誘するが、日本の大学生ではお呼びはかからないに違いない。

世間で受け入れられるような、常識的な教育や訓練でIQを高めることは出来ない。
それでいて、学校やら伝統によって、手際よく偏見を叩き込まれ、思考がすっかり鈍くなってIQが極端に低下しているのが大衆だ。
例えば、ネットで、「あなたへのお薦めはこれ」なんて示されて、「大きなお世話だ。退け」と思わなかったり、「○○ランキング」とか言ってきても、「興味ないよ。失せろ」と思わないなら、もうかなりIQが下がっているだろう。
偏見を捨て、非常識な方法でIQを高めることである。
一言言っておくが、IQの高さを自慢する者は、全く大したことないことは、理屈で分かるはずである。
IQが高いことを自慢する理由なんて、馬鹿でない限り、あるはずがないじゃない?









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