アンソニー・ロブレスという、生まれつき片脚がないながら、また、母子家庭で裕福とはほど遠い環境ながら、レスリング全米大学チャンピオンになった男性がいる。
彼のスピーチの中で覚えているのが、「人間は、脚が1本でも2本でも困難に立ち向かわなければならない」というのと、「僕はいつも松葉杖を握っているので、普通の人より握力が強いことがアドバンテージ(有利)になっている」だ。

だが、みんな、どこか欠けているのだ。
その欠けたものが、他人には分からない場合も多いが、自分では分かるものだと思う。
そして、アンソニーが、松葉杖を握っているおかげで握力が強くなったと言うように、欠けたものを補うために、普通の人を超えるものを持てるし、持たなくてはならない。

ある言語障害の7歳の女の子は、脳の言語中枢の発達障害だったが、そのために、レオナルド・ダ・ヴィンチもかくやというほどの動物デッサンが出来た。
そして、言語中枢が発達して、言語障害が解消されると、その天才的な絵の才能も消えたという。
そもそも、天才というものは、何らかの障害の補完なのであるらしい。

障害というか、困難は、力に変えることが出来る。


Hey lonely girl リアルの孤独は 君を強くするから
~『愛Dee』(作詞:Mitchie M・Cotori、作曲・編曲:Mitchie M、歌: 初音ミク ・ 巡音ルカ)より~


孤独で得られる力は偉大だ。
W.B.イェイツは、本当の心の強さは、孤独でしか得られないと言った。
また、大衆に真理はないと言い、真理を悟るのは孤独な者だけだと示唆した。

そして、困難の力を鮮明に示したのが、キース・ジャレットのピアノ即興演奏コンサートである『ザ・ケルン・コンサート』だ。
ほとんど深夜である23時半でなければ、コンサート会場のオペラハウスを貸してもらえなかったこと、そして、手違いでピアノが届かず、そこにあった、小さな壊れたピアノで必死で演奏したこと。
それが、ジャズ史上最高の売上につながる名演奏になった。


ないものだって強請(ねだ)りなよ
君は貪欲なんだ しょうがない
60兆の細胞×君の危うさを

生かしてくれ
~『サリシノハラ』(作詞・作曲・編曲:みきとP、歌:初音ミク)より~


人間は、自分に欠けたもの・・・欠点を生かすしかない。
思想家の吉本隆明さんは、自分は引きこもり気質だと言われていたが、引きこもりは、一人で深く考えることにつながるとも言われていた。
彼は、それを生かしたのだ。

欠点があるからって、何もせず、人生に負けていては仕方がない。
アンソニーが言うように、「脚が1本でも2本でも、人間は困難に立ち向かわなければならない」。
アンソニーが得たのは、レスリング全米チャンピオンの栄誉だけではないし、もっと大きなものだ。
昔、ミスター・ワンダーと呼ばれた、両脚の膝から下がない、インディアンのプロレスラーがいた。
彼は、元々は五体満足なプロレスラーだったが、事故で両脚を失くしたのだ。
だが、彼は、諦めずに現役復帰を果たした後、言ったのだ。
「脚を失くして良かった」
彼は、何か大きなものを得たことを、はっきりと分かったのだろう。

病院に行けば、発達障害なんて病名をつけてくれることも多いらしい。
私なんか、確実にそう言われると思う。
それは確かに、困難な障害だろう。
だが、だからこそ、それに打ち勝てば、得られるものも大きい。
他のどんな困難があっても、それに立ち向かうしかないし、困難が大きいほど、果敢に立ち向かえば、得られるものは大きいのである。









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