昨日は、京都府京都市のロームシアター京都に、太田裕美さんのコンサートに行ってきた。
太田裕美さんと言っても、若い人には知らない人もいるだろうが、彼女の代表曲の1つ、『木綿のハンカチーフ』を聴いたことがない人は少ないだろう。
このコンサートの私の感想を一言で言うなら、プロの歌手というものに感服したということだ。
太田裕美さんは、若い時は、外見も非常に可愛かった(美人と言うべきか)ので、アイドルの面もあっただろうが、それでも、歌を無視してアイドル扱いする人はなかっただろう。
太田裕美さんは61歳になるのだが、とてもそんな年齢には見えない。
さりげなく、「時が経つと、いろいろ変わってきまして・・・」と、自分もいい年だと示唆して笑いを取れるところは、やはり、年には見えないということだろう。
衣装も、真っ白なお姫様ドレスだったが、全く不自然さはなく、こういった点もプロなのだなあと思う。
彼女の年齢ネタに、会場から、はっきりとは聴こえなかったが、「まだまだ若い」といった意味の声が上がると、裕美さんは「遠目には誤魔化せますけど」「テレビは恐い」と返して、館内を沸かせる。
コンサートが行われた、ロームシアター京都のサウスホールのキャパシティは716席ということだが、後ろの隅の席までほとんど満員で、若い人も結構多かった。

裕美さんは、「ずっと歌ってても、年齢と共に声が衰え、キーの高い歌が苦しくなる」と正直に話しておられたが、私が聴く限り、そんな感じは全くなく、ちょっと舌足らずな幼いところもある歌声は、声量があるどころではなく、凄い歌声だった。
オープニング数曲は自らギターを演奏したが、かなり上手かった。
そして、「いよいよ」という感じでピアノに座ると、そのピアノの腕前はさすがだった。
立っても、本格的なダンスではないだろうが、ちゃんと踊れる。

とにかく、彼女はプロだった。
プロとは、アマチュアが決して真似の出来ないものである。
歌が上手いという人は沢山いるが、プロの歌手は全く違う。
いや、アイドルにしたって、AKB48にしろモモクロにしろ、「普通の女の子」に見える面もあり、それも売り物なのだろうが、やはりプロのアイドルは、普通の子とは全然違う。
AKB48は、非常に訓練されたアイドルだが、それほどレベルが高くないアイドルといった場合でも、ごく普通の子が、ひょっとしたら、1日か、せいぜい数日なら同じようなことが出来るかもしれないが、それ以上は絶対に不可能だ。
野球やサッカーなどでも、優れたアマチュア選手が、ごく一瞬なら、プロ並のこともやれるが、プロとは、それをずっとやれるのだから、凄いものだ。
それは、私のようなコンピュータープログラマーでも変わらない。
ただ、職業がプログラマーだというのと、プロのプログラマーは全く別であり、単なる作業員はプロではない。
かなりプログラミングが出来る中高生の中には、プロ並の者も、全国で10人や20人はいるかもしれないが、それでも、ごく少数の特別な人だけであるし、しかも、もし、そんな「天才」達が、プロの現場に入ったとしても、やっぱり、「プロの現場は違う」と痛感するはずだ。
「僕はプロでやれる」という自信を持っている中高生もいるかもしれないが、ごく一部のことではそうであるとしても、やはりプロは全然違うのである。
ところが、大人でも、自分はこれのプロであると言えるものがないという人が多い・・・というか、大半の人がそうかもしれない。
カドカワが今年開校した、インターネット高校である、N高等学校には、それはおかしいという考え方がはっきりあって、高校の3年間でプロにまでなれるとは思わないが、その道筋ははっきりつけてあげようとしているのだと思う。

ところで、太田裕美さんのコンサートで、手拍子というものがあるのが、私は新鮮に感じた。
初音ミクさんのコンサートでは、手拍子というものはほぼない。
レディー・ガガの全米ツアーで、ミクさんがオープニング・アクトを務めていた時、『Story Rider』で、ミクさんが会場の人達に向かって、「手拍子をお願いします」と英語で言いながら、それを促したことはあるが、ミクさん自身のコンサートでは、ペンライトやサイリウムを持って手拍子は出来ない。
手だけで手拍子を打つ人も多いが、私には、それは全く不可能だ。
だが、音楽を聴きながら身体を動かすと、自由に打っても、音楽にピタリと合う。
ところが、裕美さんのコンサートでは、手拍子を打っている時、身体がほとんど、あるいは、あまり動いていない人が主流だったのが、とても印象的に感じたのである。
いや、そもそも、じっと動かずに聴いている人が多いのだが(大昔から裕美さんのコンサートに来ているという隣の人がそうだった)、たとえクラシックコンサートでも、動き過ぎるのはもちろん良くないが、あまりに硬直して聴くのも、さあ、どんなものだろう?









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