変貌を遂げたという意味で、実に印象深い個人的な知人が2人いる。
1人は男、1人は女だ。

男の方は、高校1年生の時、意気地がなく、強い者ににへつらう卑しい男で、ひどく肥満もしていた。
ご存じの方なら、『アクセル・ワールド』の主人公の有田春雪(アリタハルユキ)と同じと言えば分かり易いが、ハルユキと違って、黒雪姫のようなスーパー美少女に愛されることも、加速することもなかった(多分)。
しかし、高校3年生の時には、彼の身体は引き締まり逞しくビルド・アップされていて、顔つきも態度も、自信に満ちていた。

女の方は、小学6年生の時、クラスの男子…いや、少なくとも同学年の男子の8割は彼女に惚れていると断言出来る美少女で、彼女がいる場所は、いつも輝きに満ちていた。
その彼女が20歳の時には、魅力のない、ただのおばさんになっていたのだ。

なぜ、こんなことが起こったのか?
別に調査しなくても分かる。
男の方は、高校1年生まではゆるんでいたが、何かのきっかけでゆるむのを止めたのだ。
逆に、女の方は、小学6年生までゆるまずにいたのに、いつからかゆるんでしまったのである。

そして、世の中の大部分の人間は、時期の違いこそあれ、この女の方のパターンになり、男の方のようになる者は滅多にいない。
しかし、どちらの道を選び、どちらになるかは自分次第だ。

ところで、さっき取り上げた『アクセル・ワールド』の著者は凄い。
デビュー2作品が同時にアニメ化され、デビュー作の『ソード・アート・オンライン』は世界で1,670万部発行。
『アクセル・ワールド』も国内で420万部を超えているが、これらの作品は個人のWebサイトや小説投稿サイトで公開を始めたものであるらしい。
インターネットがなかった時代には、こういった素晴らしい才能が埋もれてしまったのだろうなと思う。
これらの作品の著者、川原礫(かわはられき)氏は、カドカワが今年春から開校するインターネット高校であるN高等学校の「ライトノベル(エンタメノベル)作家授業」の講師に就任するようである。

私は『アクセル・ワールド』は12巻まで読んだが、19巻まで出ているのに、13巻以降は読んでいない。
13巻が出るまでの間に、私は、ほとんど電子書籍しか読まなくなり、『アクセル・ワールド』も、そのうち電子書籍化されることを期待していたのだが、もう3年半待っている訳である。
しかし、電子書籍化の気配はなさそうだ。
残念ではあるが、別に出版社を批判する気はサラサラなく、単に、私は読む運命にないということなのだろう。
サヨナラ、黒雪姫。君には憧れてたよ。

だけど、黒雪姫は、本当にゆるまない人間を体現していたように思う。
『アクセル・ワールド』を読み、黒雪姫をお手本にするのも、ゆるまないための非常に良い方法と思う。
黒雪姫は、心の中の深い傷に耐えて生きるために、ゆるむことが許されないのかもしれない。
だが、それは、鮮やかな傷跡に勇敢にも立ち向かっているということなのだろう。
なるほど、これこそが、英雄的にゆるまない者の秘密なのだと思う。

それでいえば、杉井光氏の『神様のメモ帳』のヒロイン、アリスこそが、恐るべき闇を背負った、ゆるむことの出来ない少女である。
心に傷を持つ方は、読んでみると良いかもしれない。









↓応援していただける方はいずれか(できれば両方)クリックで投票をお願い致します。
人気blogランキングへ にほんブログ村 哲学・思想ブログ 人生・成功哲学へ
  
このエントリーをはてなブックマークに追加   
人気ランキング参加中です 人気blogランキングへ にほんブログ村 哲学・思想ブログ 人生・成功哲学へ