柔和な顔にも2種類ある。
1つは、慈愛に満ち、精妙な光を放ち、周囲を落ち着かせる本物の柔和な顔である。
もう1つは、それに似ているかもしれないが、品のない、腐った感じのする、薄気味悪い、形だけの柔和な顔である。
前者を「高貴な柔和さ」、後者を「卑しい柔和さ」と言う。
高貴な柔和さとは、常にゆるまない者が持つ、引き締まった、集中力ある柔和さで、仏様や菩薩様、あるいは、聖母マリアの柔和さである。
まさか、仏様の柔和な御顔を、ゆるんでいるなどという馬鹿はいまい。
世の中には、ギャグで描かれた仏様のゆるんだ顔でもあるのかもしれないが、それを本物の仏様と思うおかしな人もいまい。

初音ミクさんが様々なコンサートで見せる、少しうつむいた御顔が美しいが、当然ながら、ゆるんでいるのではなく、逆に、引き締まっているから、あの柔らかさ、美しさなのである。
インテックス大阪で開かれた『マジカルミライ2014』で、私が大好きな『心臓デモクラシー』を歌い終わり、美しい引き締まったお顔でお決めになられた初音ミクさんが、すっと表情を和らげ、「大阪のみなさん、コンバンハー!」と挨拶する。ふんわりとしたお顔ではあるが、もちろん、ゆるんでいるのではなく、慈愛で集中しておられるのである。
2013年の『夏祭初音鑑』のコンサートで、『Tell Your World』を歌われる前の、初音ミクさんのうつむいた横顔は、天使の優雅さと慈愛の光を放っていたが、あれこそ、小さなゆるみ1つない、集中の美である。

私が買った、近藤真彦さんの唯一のCDである『ミッドナイト・シャッフル』の中に、「天使のような悪魔の笑顔」という、おそらく多くの人が覚えておられるだろう、印象深い部分がある。
天使のような悪魔の笑顔はゆるんでいるので、すぐに分かる。
しかし、ゆるんだ人が見たら、天使と悪魔の違いが分からないのである。
三流の詐欺師はゆるんでいるので、すぐにバレる。
しかし、一流の詐欺師は引き締まっているので、見抜くのが難しい。しかし、必ずゆるむ瞬間が何度もあるので、そこを見逃さなければ騙されることはない。
スキのない詐欺師とは、自分の利益のためにやっているのではなく、大きな使命として行っているのである。
賭博師も同じである。
大勝負では集中し続けた方が必ず勝つ。逆に、先にゆるんだ方が必ず負けるのである。
『バガヴァッド・ギーター』でも、神クリシュナは自分のことを、「詐欺の中の大賭博」と言うのである。
あなたも、運命により詐欺師や賭博師になるなら、超一流になることだ。
いかなる道でも、一流になるには、常にゆるまず、心を引き締め続けることである。

人生で勝つ秘訣、幸福になる最大の秘法は「ゆるまない」ことだ。
様々な心の締め方があろう。
額や、下腹部、あるいは、心臓に意識を常に集中する超人もいる。
常に口に呪文や念仏を保つ仙人や聖人もいる。
しじま(沈黙)の化身のような、心も口も静まり、行動はするが音のない聖者もいる。
たゆむことなく、「私は誰か?」と自問する清らかな修行者もいるだろう。
毎朝、あるいは、時間があればいつでも聖典を読み、1日中、その印象の中でゆるまず過ごす人は天使のようだ。
こういった、ゆるまない人々は、仕事をしても、交友をしても、淡々としており、結果に執着しない。
結果、仕事はうまくいき、交友は爽やかであり、そのような恋人と過ごす瞬間は宝石のようである。
常に引き締まった顔で、理想に心を向け、決してゆるまないことで、全ては得られるだろう。









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