先月、久々に、チームラボ社長でデジタル・クリエイターの猪子寿之さんの本が出ていた。
正確に言うと、猪子さんが書いたのではなく、猪子さんへのインタビューだ。あの人が自分で本を書くとはとても思えない。
何と言っても、猪子さんは、メールの返事を出さない・・・ではなく、出せない人らしいからね。
いや、そもそも、メールを見ないことが多いのかもしれない。
ドワンゴの川上量生さんの食事のお誘いメールを1ヶ月放置し、たまたま対談した時に(川上さんからメールをもらっていたことが)分かったということもあったようだ。

天才とは何かというと、1つには、20年後、30年後の視点でものごとを考える人という言い方が出来ると思う。
その意味で、私が天才と思うのは3人で、一人はドワンゴ会長で、KADOKAWA・DOWANGO社長の川上量生さん、一人はクリプトン・フューチャー・メディアの伊藤博之社長、そして、この猪子寿之さんだ。
本のタイトルは
『知の謎はインターネットで解き明かせるか』
で、英語のタイトル名も格好良く、
『Can the Internet Unravel Unknowns of the World?』
となっている。「インターネットは、世界の謎を解き明かせるか?」といった意味だろう。
もちろん、日本語の本である。猪子さんは英語はさっぱりだ。
Kindleの電子書籍で、わずか25ページだが2500ページくらいの価値がある。まあ、独断も多いが、天才の独断、大いに結構である。

昔から、右脳思考、左脳思考という言葉があり、優れた能力を発揮するには、右脳が大切だと言われてきたが、では、その右脳の能力とは何で、どうやれば向上させることが出来るのかについて、誰も決定版を示せなかった。
『右脳で描け』で有名なベティ・エドワーズだって、曖昧で難しいことしか言っていない。あの本が10年ごとに改定され、何十年もロングセラーを続ける理由は、優れているからということも、勿論あるのだが、それよりも、「解らない」からだ。ただし、可能性を示したという点では、やはり重要な本だった。

猪子さんは、おそらく、その右脳思考、左脳思考に相当することを、「身体を伴う知性」、「身体を伴わない知性」と述べている。
例えば、人間はいきなり転んでも、手で支えたり、咄嗟に怪我をしない体勢をとれるのは、身体を伴う知性のおかげであり、いちいち考えながらやる訳ではない。
いかにAI(人工知能)が進歩し、AIを搭載したロボットを作っても、いきなり転んでも(頑丈という意味ではなく)壊れないロボットはなかなか作れない。
また、KY(空気読め)という言葉があるが、優秀と言われている人でもKYな人がいる。
早い話が、空気が読めないというのは、他人の表情や仕草が読めないことだ。
例えば、私が話している時、相手が退屈そうな顔で、そわそわしているのに、それに構わず私が調子に乗って話し続けたら、私は空気が読めない人ということになる。
モテない男性というのは、間違いなく、そんな人なのだ(私もだからモテないのだが)。
そして、表情や仕草を読むのも、身体を伴った知性だ。

上記のようなことを、猪子さんは、理屈で解るように、見事に説明してくれている。
で、猪子さんは、身体を伴った知性を持つには、3次元感覚、立体感覚を磨く必要があると言う。
奇しくも私が一昨日書いた、
三次元的に考えれば、現実を創造出来る
と非常に通じるものであると思う。
私は、猪子さんの本は昨日読んだので、これを書いた時は知らなかった。

例えば、組織図を平面で書くような会社は駄目である。
もちろん、組織図を立体で書く会社は、ほぼ全く無いので、今の会社組織はもう古いのである。

猪子さんは、3次元感覚を磨くにはアートが良いとし、スーパー・デジタル・クリエイターである彼と彼の会社(チームラボ)は、子供が描いた絵が3次元になる、非常に楽しい、そして、芸術的なシステムを作り、これで、子供の3次元感覚を育てることが出来るとしているが、これは、ベティ・エドワーズのIT版のようなものかもしれない。
チームラボのデジタル作品「お絵かき水族館」や「小人が住まうテーブル」「光の球のオーケストラ」など、全て、3次元感覚を、気持ちよく、楽しく、エキサイティングに刺激する素晴らしいものばかりだが、「いつでもどこでも使える」という訳にいかないことに難がある。

ところが、『旧約聖書』や『古事記』を読めば、自然に3次元、あるいは、4次元感覚を磨くことが出来る。
『古事記』の何が良いかとうと、あれままさにパノラマ世界であり、心の中に、広大な空間が広がる物語なのだ。
『旧約聖書』も同じと思う。
アマテラスがスサノオを迎え撃とうという時の衣装や振る舞いは、まさに、生き生きとした迫力ある超立体を思い描かないと読めないものだ。
旧約聖書で、神が、儀式用の道具や衣装を、事細かく、何十ページにも渡る長さで指示するところは、読んでいて本当に眠くなる。しかし、それもまた、3次元で思い描かないと分からないものであり、眠気の中で、立体感覚を育ててくれる有り難いものだ。
だが、やはり古事記の方が簡潔で良いと思う。
また、上記に示した、一昨日の私の記事も参考にして欲しい。









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