我々に絶対的に必要で、しかも、この世で幸福になるための最大のスキルは「ゴマすり」である。
これなくして、豊かで平和な人生は得られないが、残念なことに、このことはほとんど誰にも受け入れられず、むしろ、反発、拒否、非難を呼ぶ。
だから・・・幸福で平安な人生を送れる人は、ほとんどいないのである。
頭が悪かろうが、容姿が醜かろうが、性悪だろうが、年老いていようが、何の問題もなく幸福になれるのに。
いや、受容する人はどうせ少ないので、あなたがゴマすりスキルを得れば、ただちに牢獄を抜け出し、楽々と成功するのである。

ただ、この「ゴマすりスキル」に関する、ありがちな2つの誤解を解いておこう。

その1つは、「ゴマすりスキル」を磨くべき人とは、「みっともない人」だけである。
「みっともない」は、ここでは、「3つともない」ということと思って欲しい。
その3つとは、能力(知性や技能等)、根性、地位(家柄等)だ。
つまり、イチローや浅田真央さんにまで、ゴマすりスキルが必要とは言っていない。
少なくとも、彼らが現役の間は、ないならないで良いのかもしれない。
だが、我々は、「3つともない」、即ち、「みっともない」。
あると誤解、あるいは、自惚れている人は多いかもしれないがね。
1つでもあれば良い。
家柄が立派で、生まれた時から金も地位もあるなら、能力や根性がなくても良い場合もあるだろう(周囲には迷惑かもしれないが)。
だが、我々は、見事なまでに、3つともない(みっともない)。
どれか1つでもある人は関係がない。

もう1つは、ゴマすりスキル自体に、能力や根性が必要な訳ではない。
握りしめた拳をブルブル震わせながらゴマをすったって意味はない。
ゴマをするのに優秀な頭脳も必要ない。
ゴマすりに必要なものは、言葉で言うと難しいが、とりあえず言えば「自分を忘れること」だ。

あくまで伝説であるが、釈迦は、前世で、誰にでもゴマをすりまくっていた。
そんな伝説が残るということは、それが釈迦の本性の1つだということだ。
前世で釈迦は、誰に対しても、手を合わせ、丁寧に礼拝したのだ。
「それはゴマすりではないだろう?」
と言われるかもしれないが、これは、ゴマすり以上に低い態度なのである。
与太者も含む人間を神のように扱うなら、自分はプランクトン、アメーバ、ミトコンドリア以下である。
プランクトンは、ゴマすりに似たことをするので、ある程度、うまく生きられる。
しかし、プランクトンに本当にゴマすりが出来たら、魚やエイに食われず、保護されるのである。

自分を忘れるとは、蔑み、疎まれることに、平和と喜びを感じることだ。
そして、自分を蔑み、疎む人達に対してゴマをすれば、必ずや大きな恵みが得られるのである。
ヒッピーのような人達は、せっかく、蔑み、疎まれていたのに、その(自分を蔑み疎む)人々にゴマをすらなかったから、恵みを得られなかったのだ。
だが、僅かながら、体制側にゴマをすった人達が成功しているのである。
ビートルスやローリング・ストーンズも、本当はそのようなものなのだ。
ロックのスターがカウンターカルチャー(反体制)の人達だなんて信じてはならない。

天才写真家アラーキーこと、荒木経惟氏は、ずっと昔、成功に必要なこととして、「黒子に徹する。時代に平伏(ひれふ)す」だと述べておられた。
「ゴマすり」というのも、1つの表現であり、これがどうしても嫌なら、「黒子に徹し、時代に平伏す」でも良い。
しかし、同じだ。
ビートたけしさんなんて、見事にゴマをすりまくったせいで、「不要なお金を減らすために仕方なく」、フェラーリとポルシェとランボルギーニを一度に買わなければならなくなったのだ。

ゴマをするとは、「気に食わなければ殺して下さい」と言うことだ。
そして、飼っている猫のために死ぬ訳にはいかないので、気に入られるよう必死になることだ。
それが出来れば、何もしなくても、猫のためにお城を作ってやれるだろう。

そして、実践のためには、難しいことを考えることも、する必要もない。
「私は、この人にゴマをすることを、私に許す」と思うだけで良い。心の中で、言葉で数回言えば良い。
アラーキー式には、「私は、黒子に徹すること、時代に平伏すことを私に許す」である。
だが、私のような馬鹿には、「ゴマをする」が分かり易くて良い。

「自分を忘れる」ことに関し、その方法を、最も正確に述べたのが、道元の『正法眼蔵』だ。
理屈で分かろうとすると全く理解できない書だが、書いてある言葉は美しいので、私は読んでいて楽しかった。
そもそも、仏法とは自分を忘れることなのだ。
多くの賢い人が憧れた、「自分を忘れてしまう」ということ・・・それを得れば、月曜ごとに、憂鬱や不安を感じることもない。









↓応援していただける方はいずれか(できれば両方)クリックで投票をお願い致します。
人気blogランキングへ にほんブログ村 哲学・思想ブログ 人生・成功哲学へ
  
このエントリーをはてなブックマークに追加   
人気ランキング参加中です 人気blogランキングへ にほんブログ村 哲学・思想ブログ 人生・成功哲学へ