若い特権と老人の特権がある。
若い特権は、活力と美だ。
老人の特権は、知恵と財力である。
それぞれの特権を十分に持たなけばならない。
若いのに活力がなかったり、あるはずの美を失ったり、年を取っているのに知恵や財力がないというのは悲しいし、惨めである。
ところが、若い特権を十分に持つことが、老人の特権を持つことにつながるのである。

若い特権である活力と美を無駄にしない方法は、ただ1つ、自己制約である。
自己制約とは、放埓(ほうらつ。勝手きままなこと)になろうとするところを、意思の力で自分を制することである。
具体的には、規則正しい生活をし、食や性を慎むことである。
自己制約により、本来持っている活力と美を引き出せるのである。
自己制約のない者が、いくら栄養のあるものを食べたり、美容やファッションに金と時間を使っても全く無駄である。

おかしなことに、老人の特権である知恵と財力を持つ方法も、ただ1つ、自己制約である。
だから、いかに早い時期に、自己制約を持つかで、人生は決まるのである。
年を取っても自己制約の出来ない者は哀れである。
老人になり、活力と美は無いのに、知恵と財力も無ければ、全く生きている意味がない。
だから、できるだけ若い時から、生活を規則正しくし、無駄に食べたり、性に耽ることを自分に戒め、身体を鍛え、本を読むようにした方が良い。
言っておくが、他から強制された慎みでは何の意味もない。
あくまで、自己制約による慎みが必要なのである。
毎朝、駅に行くと、いつもかならず何か食べている若者がいる。それでも若いので、太らず、良いスタイルをしているが、既に顔には醜さが表れ始めており、それは今後、どんどん加速すると共に、やがて肥満して、美のカケラも無くなる。そして、このような、勝手気ままな者は、若く無くなった時にも、知恵も財力も無いのである。

若いうちから自己制約を大いにする者は、まだ若い間に老人の特権をいくらか持ち、老人がさらに熱心に自己制約に励めば、若い特権を失わない。
この世の秘密を明かせば、神は、人間が自分に課した制約の2倍以上の力を、その人間に与えるのである。
自己制約とは2つに分けられる。
1つは、遊びや楽しみに使える時間を修行に使うこと。
もう1つは、食、性、言葉を慎むことである。
水野南北は、食の慎みが他に圧倒的に優ると言った。
ナポレオン・ヒルは、性の慎みを強く勧めた。
ラマナ・マハルシは、全て十分であったが、特に「沈黙の聖者」と呼ばれ、言葉の慎みが完璧だったので、何も語らずとも人々を導くことが出来た。

だが、呼吸の慎みが最大の秘法かもしれない。
しかし、容易く得られるものではない。
毎日、欠かさず腕振り運動をしたり、心の微かな声の呪文を行うことで、3つの慎みを持ちやすくなると同時に、秘法である呼吸の慎みを得られる。
そうなれば、普通の人間の数十倍から数百倍の力を持ち、自由自在になる。

ところで、特殊な人間もいるということを少し述べる。
『レ・ミゼラブル』に登場するバティスティーヌ嬢が、その象徴だ。
「嬢」と言っても、彼女は若くはない。ただ、未婚だから、そう呼ぶのだ。
なぜ未婚かというと、若い時ですら美しくなかったからだ。
だが、彼女は、楽しいこと、面白いことが全然無くても、自己制約を忘れなかった。
すると、年を取ってから不思議な美しさを持つようになり、また、不思議な幸福を味わうようになった。
自己制約は一種の貯金で、貯め続けると、年を取ってから利息を受け取り、死ぬと、神は、その全てを数倍化して与えるのである。
実際、自己制約に励む者は、死を恐れないし、厭いもしない。
そして、我々は、達磨の秘法、腕振り運動と、微かな心の声の呪文により、容易く自己制約を持ち、自己制約による進歩は驚くほど速くなり、呼吸の慎みにより、老化を逆転させ、死を乗り越えるのである。









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