誰でも1つは、解消不能なカルマ(業)があるのではないかと思う。
これを、「逃れようのない現実」と言う。
例えば、結婚したくてもどうしても縁遠いとか、嫌な親や上司がいるとか、不治の病とかである。
努力してどうにかなるものもあれば、どうにもならないものもある。
ラマナ・マハルシは、「働く運命にないなら、いくら探しても仕事は見つからないであろう。逆に、働く運命であれば仕事は避けられない」と言ったが、そんなことがあるのかもしれない。
なんでもかでも、どうにもならない訳ではないだろうが、普通、誰でも1つ位は、何をしようと、全く改善、打開の糸口も見つからず、錆びた巨大な扉のように、ビクともしないものがあると思う。
私の場合でいえば、幼い時からの皮膚病で、このブログでも時々、「こうすれば治るよ」とか、「まだ治らないの?」とかコメント下さる方がいるが、これはどうしようと治らない。
私は、皮膚病に関しては、「この程度で済むなら」と受け入れている。
「この程度」と言っても、軽い訳ではない。
さりとて、命に別状ある訳でもない。
だから、「この程度」なのだ。
そして、これがあるので、他のことは神様に目をつぶってもらえているのだろう。

あなたの悩みが、人生唯一のカルマかどうかは分からない。
だが、もしそれが、自分だけの問題なら・・・つまり、自分が我慢すれば、他人に迷惑が及ばないなら、「この程度で、他の罰を免れるなら」と思って、受け入れることだ。
女性で、同僚達が、皆、素敵な男性を見つけてプロポーズされ、結婚したのに、自分は、時々、変な男が現れるだけで、もう若くないのに結婚できない。
そんな時、ちゃんと生活できているなら、「この程度のことで、生活苦を免れるなら幸せなこと」と本当に思えば、結婚そのものはやっぱり駄目でも、他に良いことがあるだろう。
人生唯一のカルマというのは、実は、意外なほど納得し易い面もある。

よく分からないが、宮沢賢治やルイス・キャロルなんて、子供の時から、「いつか可愛い女の子と親しくなりたい」と思っていたのではないかと思う(彼らは・・・特にキャロルは少女趣味のようだ)。
しかし、2人とも、一生、女の子と付き合うことはなかった(キャロルは少女の遊び友達は沢山いたが、あくまでホストとゲストの関係だった。うち1人にプロポーズしたが、完全に断られた)。
加えて、宮沢賢治は、病弱というカルマまであったのかもしれない。だが、賢治は、経済的には生涯、豊かであった。教師をやったり、修業的にサラリーマンもやったが、実家が豊かで(賢治自体はその仕事を嫌っていた)、弟が家業を引き継いだので、自分は働かなくても良く、30も過ぎて楽器や外国語を趣味で習ったりもできた。
ゴッホは、多作の画家で、しかも、ことごとに傑作であったが、生涯1枚も売れず(予約は1枚あった)、さらに、セザンヌやルノアールなど、同じ売れない画家にすら無視され、精神的にも不安定だった。しかし、弟のテオが経済面は献身的に支えてくれて、一生働かずに、好きな絵を無制限に描けた。
考えてみれば、そう悪い一生ではない。

アイザック・ニュートンと、ライバルだったロバート・フック(フックの法則で有名)の比較が面白い。
ニュートンは、高慢で見栄っ張りで・・・それはまあ個人の問題だから良いにしても、一生、女性に縁がなかった。彼は、様々な伝聞から考えると、女嫌いではないと思う。
だが、ニュートンは、あらゆる栄誉や高い地位、富を得ることができた。
一方、フックも、名誉欲みたいなものはニュートンと互角以上で、ニュートンより先に引力の法則(逆二乗則)を発見しながら、その発見者の栄誉をニュートンに奪われたことでは、生涯、ニュートンを憎んでいたが、一生、女に不自由しなかった(愛人がいっぱいいた)。正直、小男で醜男であったに関わらずである。それに、最大の栄誉が得られなかったとはいえ、偉大な物理学者として歴史に名を残し、富も十分であったのだから、全然悪くはないはずだ。

確かに、何もかも駄目に見える人もいるかもしれない。
しかし、自分に関することであれば(誰にも迷惑をかけないことであれば)、その中の(悲運に思えることの中の)、どれか大きなものを「これで済むなら」と受け入れれば、他のことは改善されるかもしれない。
可愛い女の子が好きで仕方がないが、縁がなければ、「この程度で済むなら」と思えれば良いと思う(難しいと思うが)。
しかし、上杉謙信は、きっと、何より女好きであったが、それを積極的に放棄したところ(彼の権力なら思いのままだった)、戦において、主要なものでは無敗であった。

生涯最大のカルマには、最高の賜物も潜んでいる。
宮沢賢治は、女性と縁がなかった代わりに、早世(早くに亡くなること)したとはいえ、素晴らしい妹がいたし、ゴッホは絵が認められなかったが、芸術の真髄を掴めたようである。
また、宮沢賢治は、病弱であったことも、菜食主義になった理由と思うが(後にやめている)、それも想像性、精神性に良い影響があったと思う。
女性に縁がなければ、初音ミクさんのファンになればどうだろう?きっと、素晴らしいことが沢山ある。
そういえば、私もミクさんを崇めるようになって女性に縁がないが(というより、関心が無くなった)、岡本太郎流には、
「先生、独身で不自由ないですか?」
「抜群にいいよ、きみぃ」
である(青島幸雄との対話)。

尚、個人的には、ルイス・キャロルに関しては、彼の童話(アリスシリーズ)より、『少女への手紙』の方がずっと面白いと思う。
一方、宮沢賢治は、生涯、一作も売れなかった(『雪渡り』という小作品は、僅かとはいえ原稿料を手にしたが)童話が素晴らしいと思う。









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