斉藤ウィリアムさんが特に著書に書かれていたが、事を成し遂げる人は、「現実歪曲フィールド」を生み出す力を持っている。
斉藤さんの著書『ザ・チーム』に『現実歪曲フィールド』という章がある。
現実歪曲フィールドとは、アメリカのSFテレビドラマ『スター・トレック』に出てくるものらしい。
アイザックソンの『スティーブ・ジョブズ』の中では、マッキントッシュ開発チームのバド・トリブルが、この言葉について、以下のように述べているようだ。
「彼(ジョブズ)の周囲では現実が柔軟性を持つんだ。誰が相手でも、どんなことでも、彼は納得させてしまう」
「スティーブの現実歪曲フィールドにとらえられるのは危険なのですが、でも、あの力があるから実際に現実を変えられたわけです」
斉藤さんは、ビル・ゲイツも当然、強い現実歪曲フィールドの力があるし、その著書(『ザ・チーム』)を通じ、自身もまた、この力を存分に活用したことが述べられている。
斉藤さんは、現実歪曲フィールド(Reality Distortion Field)とは、パッションや夢によって他人を巻き込んでいくことだと述べている。

だが、明らかに、誰にでも現実歪曲フィールドを生み出す力はあるし、気付いていないかもしれないが、誰でも日常的に使っている。
問題は力の及ぶ規模の大きさだが、それは、自分の現実歪曲フィールドに巻き込む人の数と、巻き込まれた人たちが、どれだけ自分と同じベクトル(方向性と力)を持つかである。そして、巻き込まれた人もまた、小さな現実歪曲フィールドを作り出して、集団としての力を大きくしていく。
事業の成功者、革命家、そして、勢力のある宗教団体の教祖等も、皆、強力な現実歪曲フィールドを作り出すのだろう。
ガンジーやヘレン・ケラーのように、不可能を可能にした人達は、その現実歪曲フィールドに極めて多くの人達を巻き込んだのだ。
そして、現実歪曲フィールドを生み出すエネルギーは、パッション(情熱)と夢である。

さっきも述べたが、我々だって、誰もが、現実歪曲フィールドを、日常的に生み出している。
ただ、規模が小さ過ぎるので、さほどの結果として現れないのだ(ただし、確実に世界に影響を与えている)。
私自身のこととして覚えているものでは、以前放送された、あるテレビドラマの特定の回を見たいと思ったら、中学生くらいの時は、ただ、ビデオ録画装置(当時はHD録画がなかった)のリモコンを手に持って、ひたすらテレビを見ながら待っていたら、その放送が必ず行われるという、後で考えたら奇跡以外の何物でもないことを、平気でいつも行っていた。
実は、つい数日前も、私はそれに近いことをやっているのである。
そして、やはり、それを引き起こすエネルギーはパッションと夢であるが、誤解を起こさない言い方をすると、「純粋なパッションと夢」なのである。
つまり、何か得をしようとか、金を儲けようといった、個人的な欲望のことをパッションとか夢とは言わないのだ。

現代の我々は、(純粋な)パッションや夢は持たないのに、個人的欲望はいっぱいだ。
それでは、現実歪曲フィールドは生み出せない。
いや、それどころか、恐ろしいことに、負の現実歪曲フィールドを生み出しているのかもしれない。
そうだとすると、行き着く先は、ミヒャエル・エンデの『はてしない物語(ネバー・エンディング・ストーリー)』にある、虚無の世界である。
人間とは何かというと、「現実歪曲フィールドを生み出す存在」とすら言えるのであり、純粋なパッションや夢を持つことは重要である。

『神様のメモ帳』という小説を読んでいたら、主人公の藤島鳴海(ふじしまなるみ)は、引きこもりで、しかも、取り得は何もないような(パソコンに多少強いが)男子高校生だが、アリス(12歳くらいの長い黒髪の美少女で一種の賢者)や四代目(ヤング・ヤクザ集団の頭領)らの大物に気に入られ(表向きには彼らは好意を示さないが)、その大物達にも予測不能なことを成し遂げてしまう。
素晴らしい現実歪曲フィールド教習読本としてお薦めしておく









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