中国の古典『荘子』の中に、著者である荘子が、夢で蝶になるという、よく知られた話がある。
荘子は夢で蝶になったのだと思うが、「人間である荘子が夢で蝶になったのか、今、蝶が人間である荘子になった夢を見ているのかは分からない」と述べている。
これを読むと、ほとんどの人は、「荘周が蝶になった夢を見ただけだ」と思う。
蝶には、人間になる夢を見るほどの能力があるとは思えないからだ。

この話には、抜けているところがあるように思う。
実は、荘子は蝶になった夢を見たのではない。
蝶ではなく、蝶と表面的な印象は似ているかもしれないが、それとは全く別の何かになっていたのだ。
だが、人間の脳は、夢でなった何かのことを理解できないので、それにほんの少し近い印象のある蝶になったと翻訳した・・・つまり、記憶を捏造したのだ。
荘子がなったものは、この物質界にある何よりも精妙な身体を持つ、高次元の何かであったのだ。
魂という表現が正しいかどうかは分からないが、魂の姿になったのかもしれない。

あなたは、夢の中で蝶になっても、あるいは、犬や鳥になっても、何の疑問も持たない。
また、王様や人気ロック・スターや宇宙の戦士になっても、それに完全になりきることができる。
子供であれば、アニメのヒーローやヒロインになることもあるだろう。
ところで、今、あなたは人間である。
サラリーマン、学生、医者、隠居、弁護士、ニート、社長、大工等、色々であろう。
そう思っている。
それに何の疑問も持っていない。
これもまた、同じことではないだろうか?
別の次元の何者かが、この物質次元で人間になった夢を見ているのだが、自分が人間というものであることに何の疑問も持っていない・・・それが、今のあなたの状態だ。
この夢の中で、喜んだり、悲しんだり、楽しんだり、嘆いたりするが、目が醒めてしまえば、ただの夢である。
本当のあなたは、天使か、仙人か、宇宙人か、あるいは、神のようなものであるのかもしれない。
少なくとも、夢を見ている本当のあなたは、今のあなたより、ずっと高度で、制限の少ない存在である。
もしかしたら、そんな優れた存在である何者かが、制限があるふりをしたくて、わざと人間になる夢を見るのかもしれない。
しかし、この物質次元では、制限を過度に課してしまうのかもしれない。
だが、もっとライトに人間になった夢を味わえば良いと思う。
そのためには、ある程度は夢である自覚を持つことだ。
しかし、「これは夢だ」と言ったり、思い込もうとするだけでは駄目だ。
物質次元の我々が持っている頭脳は、ある制限がかけられていて、直接的には、自分が夢を見ていることを認識できないのだ。
だから、その制限を回避する方法を取らねばならない。
そのやり方とは、あなたはただ、自分を注意して観察すれば良い。
そうすれば、夢であることが分かる。
ただ、自分を観察する時、自分を初めて見る人として観察しなければならない。
でないと、あなたは記憶という幻想に縛られ、これが夢であることが分からないのだ。

では、夢を楽しんで欲しい。
もし、叶えたい夢があるなら、こうすることだ。
その夢は、実現不可能なことが良い。
そして、こう思うのだ。
「絶対に実現しないとか限らない」
もし、悪い状況になりそうならこう思え。
「そうなっても、必ずしも悪いとは限らない」
この微妙さを習得すれば、この世は、ユートピア、桃源郷、エリュシオン、エデン、ザナドゥなどと呼ばれているものになり、あなたは自由である。









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