新年といえば、1月1日のことだという観念を持った人が多いが、ユダヤ人にとっては9月4日(あるいは5日、6日)だし、ケルト人にとっては11月1日だ。
ハロウィンという、子供が仮装するお祭り(今は大人も仮装することが多いが)は10月31日だが、これはケルト人の大晦日のお祭りから始まっているのである。
また、中国、台湾、韓国、モンゴル、ベトナムでは、今でも2月19日頃の旧正月の方が1月1日より重要であるらしい。
きっと、世界には、また別の日を1年の初めとしている人達も多いと思う。
一方、企業の「年度」は、その企業が定めた決算月(決算日が月末の場合はその翌月)から始まり、決算月で終るのだが、多くは3月か12月で、例えば3月10日決算の企業では、2014年3月10日は、まだ2013年度なのである。だが、決算月(と決算日)はその企業が勝手に決めて良いのであり、ユニクロを運営している企業では8月末決算である。

ところで、年の初めに「今年の目標」なんてものを、子供の時から立てさせられ、それが習慣になって今でもやっているという人も多いだろう。
だが、目標とは何だろう?
「受験合格」「体重50kg未満なる」「売上げ1億円達成」「モデルデビュー」といった目標は、それを言う者の心をよく観察すると、恐怖から出ていることが分かる。
それを達成しないと生きていけないと感じているのである。
目標というのは、自分の生存条件なのである。
ダイエットという目標に関して言えば、ダイエットして男性の関心を引くようにならないと、自分は1人で食べていけるような能力も根性もないので、生きていられないという恐怖から来ているのだ。

一方、「心豊かな人間になる」という、抽象的な目標はどうだろう?
そんな目標を立てる人に、「なるほど、君の心は狭いからなあ」と言ってやると良い。
彼は激怒して、「何を!お前よりはるかにマシだ!」と言うのである。
その程度で色をなす狭い心は、1年どころか、一生かかっても治りはすまい。

私はいかなる目標も立てない。
そんな無駄なことをせず、現在の自分をよく観察しようと思っている。
体重50kg未満が目標だが、70kg以上あるという人は、無駄なものを食べ過ぎているのである。
しかし彼女は、自分が食べ過ぎていることを認めないのである。
ある肥満した年配の女性は、「私が太るのは体質なんですよ。ご飯一杯とお漬物しか食べないんですけどねえ」などというが、それが本当なら絶対に太ったりはしない。
彼女は、家の中の隠し棚に、物凄い量の甘いお菓子を秘蔵して、1日中食べているのである。

つまり、大切なことは、目標を立てることではなく、自分を真面目に観察することなのである。
「売上目標1億円」と言っているのに、現在は30万円しか売れていなければ、自分の仕事をよく観察すれば、全く不合理、怠惰、いい加減、無責任であることがよく分かるのである。そんなものをちゃんと見ることが大切なのだ。
そして、自分が責任感がなく中途半端であることが分かれば、その時に、何かが変わるのである。
無自覚に責任感が出てくるかもしれないし、消極的な意味ではなく、仕事が自分に向いていないことが分かり、別の仕事で「責任感を発揮する」かもしれない。
「心豊かな人になる」なんて目標を立てるのではなく、自分の心をよく観察して、自分の心が狭いことを「本当に」理解することが必要なのだ。
「心豊かな人になる」という目標を立てる人は、実際は自分の心が狭いなんて思っていないのだ。だから、上にも述べた通り、「君の心は狭い」という本当のことを指摘されて憤慨するのだ。
しかし、自分の心をよく観察して、自分の心が狭いことを認識すれば、ただちに変容が起こるのである。
「私の心は狭いから、少しずつ広くしよう」なんて言う者に見込みはない。彼は、自分の心の狭さを本当は分かっていない。
そんな余計なことを言う暇があったら、もっと注意深く自分を観察しなければならない。

私は、世間で言う、盆、暮、正月、その他、いかなる日であれ関係なく、出来事や自分に注意を払ってよく観察することにしよう。









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