今は一般的な定年が60歳で、それを、政府は65歳にしようなんて言っているらしい。
30歳でも仕事に就けなかったり、不安定な非正規雇用で働いている者も多いのに、そんな話があるのは、やはり、年金の財源が無いのだろう。
だが、今の会社の仕事のほとんどは面白いものではないので、早く働くのをやめたい人が多いはずである。
それを無理に65歳まで働かせれば、ストレスのために健康を害して早く死ぬので、年金問題が多少は改善するという腹積もりなのであろうか?

ある大手企業は、やはり、60歳が定年なのだが、実際に60歳まで会社にいられる訳ではなく、55歳以降は、大半の者は、別の小さな会社や何かの法人に出向させられている。18歳からずっと、その会社の現場で働いているという人も多く、57や58にもなって新しい職場で新しい仕事をするのは、とてもではないが「チャレンジする」なんてものではなく、不安だろうし、また、勤め始めても、何もできず、憂鬱な毎日を過ごす人ばかりだ。受け入れた会社でも、迷惑がっているに違いない。
ある57歳で出向になった男性は、奥さんが、「60から年金をもらうと額が少ないので、65までがんばって働いて」と言い、それ以外には全く考えていなかった。
しかし、この男性は、もう働きたくなかったのだ。心底嫌だったのだ。しかし、奥さんに、そう言われたら、拒否することはできない。無慈悲な突き放しである。
もし、妻というだけの値打ちのある奥さんであれば、旦那さんのそんな気持ちをしっかり感じ取り、「今まで働いて下さってご苦労様でした。あなたが60歳になるまでの3年は貯金で生活し、それからは年金で暮らしましょう。少々年金が少なくてもやっていけますから」と言うものである。
結局、その男性は63歳くらいで、ストレスのために脳梗塞になり、ほとんど動けない身体になった。働き尽くめでやってきたのに、平安な生活を一度も味わえなかったばかりか、彼の世話をせざるを得なくなった奥さんからは毎日罵倒され続け、67歳で死んだ。
哀れな一生である。

アベノミクスとかいうのは、おそらく、国家に豊かな税収をもたらすような産業ばかりを優遇し、人間が本当にやりがいのある仕事は全て日本から消えることになるだろう。
日本屈指の腕前を持つほどの職人ですら、年収300万円にも全く及ばないという狂気の社会になってしまっているのである。ただ、職人の親方の方も、我が強くて、弟子を大切に育てなかった者が多かったことに対する報いもあるのだと思う。

では、どうすれば良いかというと、オランダあたりで実施されているように、仕事を分け合い、短時間働くということを、早く普及させなければならない。
まだ健康な人たちが多く、父親が強くて立派だった時代のアメリカのように、働くのは、せいぜいが10時から4時まででなくてはならない。それが限度だ。
私は、小説や映画等で見る、1950年代位までのアメリカの雰囲気がとても好きなのである。無論、その頃も社会には深い問題もあり、それが、今の悲惨な状況につながっているのだが、当時は、まだ家庭というものがあったのではないかと思う。
生きていくために必要なお金というのは、今の我々が思っているよりずっと少ないのである。
別に、ケチになる必要はないし、極端な少食になってもいけない。ただ、余計なお金を使わなければ良いのである。
その気になりさえすれば、うまくいくだろうし、既に私は実践できていると思う。









↓応援していただける方はいずれか(できれば両方)クリックで投票をお願い致します。
人気blogランキングへ にほんブログ村 哲学・思想ブログ 人生・成功哲学へ
  
このエントリーをはてなブックマークに追加   
人気ランキング参加中です 人気blogランキングへ にほんブログ村 哲学・思想ブログ 人生・成功哲学へ