天才的な発明家だった中山正和さんは常々、頭を良くし、運を良くするには、「クヨクヨしない」練習をすることが大切だと述べていたものだった。
そして、中山さんがよく勧めておられたその「練習方法」は、般若心経の呪文を唱えることだった。
なぜクヨクヨすると、頭が悪くなって、運も悪くなるのかというと、心が荒れて、エネルギーが無くなるからだ。
心が静かであってこそ、内なる英知とつながるのであり、大切なエネルギーを保持できるのだ。
また、運はエネルギーである。精力の枯れた者が幸運を得ることはない。
般若心経の呪文は、特別なリズムを持った言葉で、唱えれば、すみやかに無心、無我に近けてくれる。
空海も、『般若心経秘鍵』で、この呪文を不思議だと述べている。そして、この呪文は、偉大な仏の心そのものであると言う。

しかし、どうしても、般若心経の呪文だけでは心が静まらない時もあるかもしれない。
心が激しく揺れ、痛み、後悔や憎しみに囚われてしまった時だ。そんな時、エネルギーは果てなく消失し、心身は疲労の極に達する。そうなってしまえば、運には見放されるし、それが長く続けば、たちまち老化し、下手をすると、重い病気になってしまう恐れもある。
では、そうなった時は、どうすれば良いのだろう。
それは、あらゆる出来事は全て、星のめぐり合わせだと思うことだ。そして、実際にそうなのだ。
何が起こるかは、全て運命だ。我々に起こることは、我々の意思に何の関係もない。全ては、完全に天によって定められているのだ。
とても嫌なことが起こったとしても、それは起こるべくして起こったのであり、我々にはそれを避ける術は絶対になかった。そうなるしかなかったのだ。
それならば、後悔したり、悔やんだり、残念がったりしたところで、いったい何になろうか?
そしてまた、あなたがどんなことをしたとしても、それも実は、あなたの意思とは何の関係もなかったのだ。あなたはそうするより他に道はなかったのだ。
だから、あなたには何の責任もない。全ての責任は神にある。
言ってみれば、あなたは何もしていない。
偉大な仏陀も言ったのだ。
「行為はあるが、行為者はいない」
インドの聖者ラメッシ・バルセカールは、これほど真理を的確に述べた者は他にいないと言ったが、本当にそうかもしれない。
そして、天は運命を造ったが、我々もまた、天に創られたものだ。ならば、どんな運命も、それを無心に受け入れれば、自分の運命を楽しめないはずはないと荘子は言った。なぜなら、天は正しいことしかないからだ。
荘子は、起こることを起こるままに赦す者は、鬼神すら敬服させると述べている。
そうなれば、あなたには特別な福寿があるであろう。
それは驚くべきものであり、楽しみにするが良いだろう。









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