日本人はとても人目を気にする。
しかし、そんな必要は全くないのだ。
なぜなら、誰もあなたのことなど気にしていないからだ。

かなり昔の竹村健一さんの本に、「あなたがチンドン屋みたいな格好してたって、他人は大して気にしないものだ」と書かれていたが、現在では、さらにそうなのである。
ところが、おかしなことに、人目を気にすることに関しては、昔よりずっと強くなっているのである。
つまり、誰も気にしていないに関わらず、人々は他人の目にひどく敏感なわけである。
滑稽な話である。

これはどういう訳かというと、人々が自分にしか関心を持たなくなっているのである。
自分への関心が強いのは幼稚な人間だ。つまり、我々は、ますます幼児化しているのである。
愚かにも、自分のことが頭から離れないのだ。
自分の見栄え、持ち物、評価・・・・そんなことが気になって仕方がない。
だが、あなたが世界一の愚か者だと思われていようと、そんなこと、誰も知ったことではないのである。

だが、自分は関心を持たれていると感じられることもあるかもしれない。
それは、誰かが、あなたに対し、自分に関心を持ってくれる人間として関心を持っているというだけのことだ。それは、確かに物凄く強いものだ。
しかし、あなた自体に関心がある訳ではないのだ。

スターやアイドルは関心を持たれているだろうか?
それも全くない。言い換えれば、人間としての彼らや彼女らに、誰も関心を持っていない。
ファンというのは、スターやアイドルが、自分との個人的関係が成立するという妄想で熱狂しているだけのことなのだ。
つまり、スターが自分に関心を持つということが最高の快感であり、そんなことがあると思うほどに愚かなのだ。

幸福で、運命を支配する力を持つ者というのは、自分の身体や心に、ほとんど関心を持っていないのである。
とはいえ、別に身体や心をないがしろにしているわけではない。
余計なことを考えなければ、身体も心も健康に保たれるものなのである。
病気になったら、病気を忘れるほど夢中で何かをやれば、治ってしまうものである。病気のことを考え続けるから治らないのだ。
心の悩みも同様である。心配ごとについて、いつも考えてばかりいるので、心がいっそう憂鬱になるし、問題も解決しない。
私も、最近、非常に煩わしい問題があったのだが、必要なことをやったら後はすっかり忘れてしまった。そうしたら、本日、全て勝手に解決してしまった。
つまり、身体や心の問題のみならず、余計なことを考えることをやめれば、状況まで変わるのである。
これは、私がいつも述べる通り、人間は想念を消し、無になれば、不可能はなくなるということなのである。
だから、イエスは「思い煩うな」と言い、釈迦は「妄想するな」と言ったのである。

余計なことを考えないためには、何かを熱心にやって、「あ、脚が痛いのを忘れていた」と思うようになれば良いのである。そうすれば、痛い脚も治るだろう。
昔から、悩みがあれば、水垢離をした者がいたが、これは考えずにすむ良い方法である。
ところが、現代人は、悩みを人に話すことで、相手を不快にさせるばかりか、自分の悩みもますます強いものにしているのである。

誰もあなたに何の興味も持っていない。
なら、自分への興味も無くすことだ。身体も心も手放すのだ。自分を地平線の彼方にいるように感じるのである。それが超人になる秘法だ。
真の超人は、自分に関心がないのだ。
神は自我を持たない。よって、我々が思うような意味での関心を、我々に対して持たないが、その愛に満ちた無関心は一度知ると、忘れることはできないのである。









↓応援していただける方はいずれか(できれば両方)クリックで投票をお願い致します。
人気blogランキングへ にほんブログ村 哲学・思想ブログ 人生・成功哲学へ
  
このエントリーをはてなブックマークに追加   
人気ランキング参加中です 人気blogランキングへ にほんブログ村 哲学・思想ブログ 人生・成功哲学へ