『ローム太霊講和集』という秘法が満載されたような本に、ある呪文が書かれている。その本の著者と深い関わりがあった内海康満さんが『霊止乃道(ひとのみち)』という本で、この呪文を明かし、緊急時などに唱えれば力を発揮すると述べている。
13文字の呪文だが、私が勝手に明かす訳にもいかないし、本がいずれも面白いと思うので興味があれば読んでみていただければと思うが、その呪文の意味は、敢えて言えば、無になりきれば不可能はなくなる、つまり、思うが儘(まま)になるという意味らしい。

無になりきれば不可能はなくなるというのは、そんなに不思議なことでもないが、現代人は、こんなことすら知らないでいる。
以下は、あちこちで目にしたもので、正確ではない、あるいは、創作かもしれないが、不自然なこととは思わない。
ある超人的な空手家が、第二次世界大戦後、真剣を持った剣術家と決闘したのだが、勝てるはずがないので、死ぬつもりで向かっていき、その後のことは憶えていないが、気がついたら、相手は川原で伸びていたという。
世界王座防衛の日本人最多記録を打ち立てたプロボクサーは、世界王者になる前、当時の世界王者に挑戦した時は、相手の強さにすっかり怯えていて、恐くて何をやったか憶えていなかったそうだが、やっぱり、気が付いたら、相手は伸びていて、彼は世界チャンピオンになった。
少しケースは違うが、元プロレスラーの前田日明さんが、アメリカのプロ空手王者のニールセンと戦った時、しょっぱなにニールセンのいいパンチをもらい、その後の記憶がなく、自分の試合のビデオをわくわくしながら見たと自伝に書いている。試合は激しい打撃戦の後、前田さんが超高速のレスリング技で勝利していた。
私は前田さんのレスリングの師匠と話をしたことがあるが、前田さんはとても精神的な人のようだ。そんな人がつまらない秘術家にひっかかるのは、必ずしも悪いことではないのかもしれない。

作家というのは、無自覚であっても、そんな無の力を感じているのだし、そうでなければ作家になれない。ただ、ソクラテスは、ほとんどの作家に自覚は無いと言ったようだ。
あまり内容は憶えていないが、平井和正さんの『狼よ故郷を見よ』という小説があるが、主人公の犬神明の正体は超人的な狼男だ。19歳の若い娘が彼を慕うが、その娘が、危機的状況で異常な力を発揮して犬神明を救い、犬神明は、これは人の力ではなく、自分のような狼男の力だと感じる。しかし、その娘は普通の若い女だった。
武内直子さん原作のアニメ『美少女戦士セーラームーン』では、セーラームーンこと、月野うさぎの親友である中学2年生の大阪なるは、ごく平凡な可愛い少女だったが、セーラームーンの敵の悪の戦士を愛してしまう。そして、彼が仲間に処刑される時、なるは、人間の力では不可能なことをやって彼を救う。
『美少女戦士セーラームーン』シリーズの中でも名作の誉れが高いと共に、子供には難し過ぎて人気を落としたとも言われる、アニメの3年目のシリーズ『美少女戦士セーラームーンS(スーパー)』では、セーラー戦士達が完全に敗れ去り、地球滅亡を待つだけしかない状況で、セーラー戦士として覚醒したばかりのセーラーサターンが姿を現し、相打ちで地球を救うべく、異世界の神ファラオ90に突入する。セーラーサターンの滅びを前に何も出来ないセーラームーンだったが、嘆き崩れる中で意識が消えた時、奇跡が起こり、セーラームーンはセーラーサターンを救う。しかし、最後までセーラームーンに意識はなかった。

奇跡というものは、心が消えた時-それを無になったというのだが-に起る。
つまり、自分が行為者だという自覚のない行為が、神の聖なる行為である。
そして、実は、奇跡とは特別なことではない。
心が消え去っていれば、言い換えれば、心が純粋な状態であれば、全ての行為は奇跡である。
インドの聖者ラマナ・マハルシに、ある者が言った。「聖なる食物を下さいませんか」と。
マハルシは答える。「心を持たずに食べれば、それが聖なる食物だ」と。
イエスは、「人は食べるもので汚れない。出るもので汚れる」と言った。この出るものとは、言葉と解釈されるが、正しくは、言葉の精妙なものである想念、つまり、心だ。
このあたりのことは、『バガヴァッド・ギーター』で、至高神クリシュナが、アルジュナ王子に詳しく教えている話がそのまま書かれている。
クリシュナは、イエスよりはかなり直接的な表現で教えている。

尚、最初に、力の呪文について述べたが、『エメラルド・タブレット』では、アトランティス人トート(あるいはトス)は、特別な呪文を示し、それを使うよう指示している。あくまで、タブレットの読者に述べたことかもしれないので、ここには書かないが、下に書籍をご紹介するので、よければご確認いただき、効果の程をご報告いただけると有難い。

















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