「石の上にも3年」と言うが、どんな3年をそう言うのか分かるだろうか?
「入社して3年はやめずに我慢する」という3年とは、全く適合しない。
また、何かを習い始めたら3年はやってみるというのとも違う。
これは、1日も休まず、決まった時間に決まったことをやるという3年である。
そうすれば、何事であれ、一応の力は付くのである。

「石の上にも3年」とは、達磨さんの座禅修行のことであると言われる。
まさか1日24時間ずっと座禅していた訳ではないだろうが、必ず決めた時刻に、決めただけの時間、1日も欠かさず3年ほどやったということだろう。無論、当時は時計などないのだが、いろいろ工夫したのだと思う。

3年といえば、こんな話がある。
アメリカの霊能力者エドガー・ケイシーは、9歳の時、キリスト教伝道師の話を聞いてすっかり夢中になり、両親に自分用の聖書を買ってくれるよう頼む。願いが叶えられると、彼はそれを毎日欠かさず熱心に読み、13歳になるまでに13回通読したという。
これが大体3年である。すると、ケイシーの前に霊的な存在が現れ、いろいろな指導やアドバイスをしてくれるようになったという。
その後も、ケイシーは、毎朝、必ず聖書を読み、1年に1度通読することを生涯続けたようだ。9歳から13歳までの時は、暇を見つけては読んでいたのだと思うが、決まった時間には必ず読んでいたのだと思う。

3年にどんな意味があるのだろう?
3年は1095日、もしくは、1096日である。約千日だ。
千という数字は、多い数の代名詞でもある。千秋、千里眼といった風に使われる。
千日やれば、一応、十分に多いという意味かもしれない。
アニメの『シティー・ハンター』で、冴羽僚は、「どういうわけか、銃を千丁製造する中で、全く完璧なものが1つ出来るんだ。これを、ワン・サウザンドと言う」と言って、手にした「ワン・サウザンド」で、奇跡的な射撃を見せる。

ただ、1年で奇跡が起こることもある。
水野南北は、若い頃、人相見に見てもらったところ、余命僅かと言われた。助かるには徳を積むしかないと言われ、早速禅寺に入門を願ったが、断られる。それでも諦めずに懇願すると、1年の間、麦と大豆の食事だけで過ごせたら入門を許すと言われた。南北は、言われた通り、麦と大豆しか食せずに1年過ごし、再度入門を願おうとしたが、その前に、また人相見に見てもらった。すると、人相見は、「不思議なことに運勢が変わっている。寺を建てるとか、人の命を救うとか、よほどの徳を積んだに違いない」と言うが、南北には覚えがない。それで、ただ、1年の間、麦と大豆しか食べなかったと言ったら、人相見は、食の慎みこそ、最大の徳であると言ったのだった。

こんな話もある。
無敗の空手家であった白羽秀樹は、タイのムエタイ選手と戦うハメになってしまった。
ムエタイと空手の試合を企画したボクシングジムがあったのだが、そこの会長が、極真空手に出場を断られて白羽に頼んだのだった。自らタイでムエタイと戦ったことがある極真会館館長の大山倍達は、ムエタイの強さをよく知っており、当時の門下の空手家では戦えないと言ったようだ。その代わりとして、うまく説得された白羽は、自分は出場せず、配下の空手家を集めて戦わせる準備をしたが、ムエタイ選手のあまりの強さに恐れをなし、それらの空手家達は逃げ出してしまった。そこで、やむなく、白羽本人が戦うことになった。白羽は苦戦しながらも勝利したが、その次は、桁外れの強豪ムエタイ選手と戦うことになった。圧倒的な実力差にもかかわらず、白羽は不屈の闘志で戦うが、惨敗の上、重症を負ってしまった。
白羽は1年の山篭り修行を決行し、下山すると、ムエタイの一流選手と対戦して見事勝利する。この白羽が、超人的キックボクサーとして一世を風靡した、「キックの鬼」沢村忠である。

いかなることも、毎日欠かさず、長く継続してこそ意味がある。
それが、たかだか1ヶ月とか、ひどい場合は、数日で効果のことを考える者が多いのは呆れてしまう。
また、「時々やる」とか「忙しいから今日はしない」というのでは、いかなることの成就もおぼつかない。

私は1日1食の菜食主義になってから、今年の8月で3年が過ぎたが、その食事がもう当たり前になった。腕振り運動は10年以上、1日も欠かしていないが、これはもう義務のようなつもりでやっている。
腕立て伏せやスクワットなどの運動も、2年以上、欠かしていないが、これも、今や習慣に過ぎない。

エドガー・ケイシーのように、毎日決まった時間に聖典を読むことは良いことだ。
それに相応しい者なら、自然に聖典と出会うだろう。『聖書』や『バガヴァッド・ギーター』あるいは『老子』や『古事記』などであると思うが、全く別のものかもしれない。









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