GWとはいえ、そう誰もが休暇である訳ではない。宅急便は毎日届くし、レストラン、料亭、百貨店等は休みどころではなく、平常よりはるかに多忙だろう。
休みたいが休めない人は多い。それは、本人だけでなく、家族が休んで欲しいと思っていることも多いだろうし、休みを取れない者も、自分以上に、家族への後ろめたさがあるかもしれない。そこへいくと、独身者は好きなように仕事が出来て気楽なものだ。
私はだいぶ以前のことだが、ある年の12月半ばから、翌年、GWも越え、5月末頃まで、1日の休みも取らず、毎日例外無く、朝7時半にオフィスに出て、深夜0時過ぎまで仕事(コンピュータソフト開発)をしたことがある。
少しはちゃんとしたソフト開発者らしくなった頃で、まだ慣れていなかった新しい開発ツールを使う仕事を1人で請け負ったのだった。
別に会社のためなんてことは1ミリも考えていなかったが、当時は、鬼のごとく働くことで、抜きん出た人間になれるのだと思っていたものだ。ビル・ゲイツが、休暇なしにフルタイムで働き、独身時代は持ち帰りピザの夕食の日が多かったことも何かで読んでいて、見習うつもりででもいたのだろう。また、奥城良治さんという、16年連続で日産自動車でトップだったセールスマンに敬服していたことも大いに関係があったと思う。ちなみに、彼の仕事振りは、私の比ではなかった。
その5月も終わろうとしていた頃、日中、コンピュータ画面を見ていたら、不意に胸に圧迫感を感じ、それが苦痛に変わってきた。ひどくなってきたので、仕方なく、私は救急車を呼んでもらおうと立ち上がり、他の人達のいるところに少し歩いた時、目の前が真っ暗になっていったところまでは覚えている。
自分では、ほんの1~2分、気を失っていただけと思ったが、10分以上で、しかも、自分では分からなかったが、相当うなされていたようだ。
幸い、検査をしても、何の異常もなく、翌日から普通に仕事が出来た。まあ、誰も救急車を呼んでくれなかったことは、ちょっと気になるといえばなったが・・・(迷った人はいたようだ)。
結局、私は良い収益を会社にもたらしたので、上司は昇格を推挙してくれたのだが、いろいろあってそれは成らなかったし、私も無い方が良いと思っていた。
その半年に渡り、1ヶ月あたりの残業時間は軽く200時間を超えていたかもしれないが、私は会社には1分と申請しなかった。よって、会社からは、定時出社定時退社としか見えなかった。それに、確かに大したものではなかったが、平社員個人の業績が評価されることは無い。よって、昇格に値しないことは理解していた。もっとも、一番大きな要因は、大学中退であることだったようだ。
会社を辞めるとき、ボーナスを貰ってから辞めるのが通例かもしれないし、残った有給休暇を最後に全部使い切るのも、言わば、当然の権利で別に悪いことではないのかもしれない。しかし、私はボーナス支給前に辞め、有給休暇も1日も使わなかった。有給休暇を、敢えて申請手続きをしてまで取得する気にもならなかった。面倒だからだ。

私のように、自分の都合で勝手に働くのは良いのだが、元旦に宅急便が届くのは本当に嫌だ。ドライバーだって休みたいだろうし、家族も一緒に居て欲しいだろう。テレビで、元旦営業を宣伝する料亭や百貨店のCMを見ると、従業員の方々が気の毒でならない。私は、こんな国が嫌だなと思う。
科学を発展させたり、人々のために勤勉に働くのは良いことだ。それが、3割くらいまでなら、個人的な利得のためであっても、むしろ努力を賞賛しよう。しかし、過度な地位や富を求めるのであれば、それが浅ましいことであるかどうかは言わないが、結局は悲惨を味わうことになる。例外なんて1つも無いのに、自分にだけは当てはまらないと思う者は少なくないようだ。
そんなこんなで、GWは、ほんの少し憂鬱なこともあるのである。







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