「魔法のランプ」の今までの話は終り、新しいお話が始まる。
流れ流れて、魔法のランプは、ある少女の手元に来た。
ランプの精である魔人は、少女の前に、その無敵の堂々たる姿を現す。
「ご主人様、ご命令を。どんな願いも、この私が叶えて差し上げます」
だが、驚いた少女は、気を失ってしまう。
「おやおや、今度のご主人様は気が弱いお方のようだ・・・」
しかし、やがて少女も魔人のことを理解した。魔人は改めて主人に願いを尋ねた。
「宮殿でございますか?宝石をちりばめたドレス、ブランド品のバッグもいくらでも、高級車もご入用かと・・・」
長い年月の間、数多くの主人に仕え、魔人は人間の性質をよく理解していた。
だが、少女は言う。
「何もしなくていいよ。ただ一緒に居て」
少女は、魔人の新しい服を用意し、毎日食事を作って魔人と一緒に食べ、他にもいろいろ魔人に気を配り、魔人を家族として扱った。
少女は、まだ小さいのに、両親は死んでいなかった。そして、彼女は病気で、命がいつまで持つか分からず、少女もそれに気付いていた。
魔人は面食らった。
これまでの主人は、魔人を得たことを理解すると、自分の欲望を満たすために、魔人をモノか奴隷のようにこき使った。
しかし、今度の主人は、何と違っていることか!自分の身すら危ういのに、私のことを心から大切にしてくれている・・・
だが、少女の病状は悪化し、命の炎が消えようとしていた。
魔人は決心する。少女の命を救うための魔法の力を集めていった。それは、魔人といえども、厳しく苦しい戦いを強いられることだった。
「どうしたの?最近、留守にすることが多いようだけど」
少女は、そんな魔人を気遣った。
「申し訳ございません、ご主人様」
「別にいいよ。お前もやりたいことがあるだろうから、好きなようにしたらいいのよ」
何度も危機に陥り、傷付きながらも、ついに魔人は少女の命をつなぐ力を得ることが出来た。そして、少女に言う。
「ご主人様、あなたは神になって下さい。その準備は出来ました」
だが、少女は魔人に微笑んで言う。
「そんなことをしたら、お前は無事では済むまい。そんなことはしなくていい」
確かに、それは、魔界の掟を破ることで、それをすると魔人は消滅するのだった。しかし、魔人はそれでいいと思っていた。
「いえ、どうしてもそうしていただきます」
すると、少女は、初めて厳しい顔をして言った。
「主は私です。主の言うことはきかなくてはいけません」
少女は思っていた。自分はずっと一人だった。だから、自分が死ぬことは、それは仕方がないと思っていた。しかし、他の誰かが犠牲になるのだけは嫌だった。
魔人は真の主を得たのだった。
これまでの主は、欲望のために破滅し、魔人は次の主人のところに移るということを繰り返した。しかし、魔人の旅は終わった。
魔人の長く暗い呪縛は、この主によって解き放たれた。
それは、人類のアセンション(次元上昇)となった。世界は永遠を得たのだった。
ひょっとしたら、気付いた人がいるかもしれないが、このお話は、「魔法少女リリカルなのは A's(エース)」(2005)のお話を参考にしたものだ。(全く同じではない)
八神はやてという、脚が悪くて歩くこともできず、病気で余命幾ばくも無いが、明るく、この上なく優しい小学3年生の少女と、彼女の元に来た3人の魔法の騎士達と一匹の聖獣の様子が、こんな感じであったと思う。
ヒロインの一人、フェイト・テスタロッサ(我が女神だ)役の声優、水樹奈々さん自身が作詞して歌った、このアニメのOP曲「ETERNAL BLAZE」は、その世界観を見事に表現した名曲である。
尚、「魔法少女リリカルなのは A's」の映画「魔法少女リリカルなのは The MOVIE 2nd 」は、2012年公開の予定らしい。
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流れ流れて、魔法のランプは、ある少女の手元に来た。
ランプの精である魔人は、少女の前に、その無敵の堂々たる姿を現す。
「ご主人様、ご命令を。どんな願いも、この私が叶えて差し上げます」
だが、驚いた少女は、気を失ってしまう。
「おやおや、今度のご主人様は気が弱いお方のようだ・・・」
しかし、やがて少女も魔人のことを理解した。魔人は改めて主人に願いを尋ねた。
「宮殿でございますか?宝石をちりばめたドレス、ブランド品のバッグもいくらでも、高級車もご入用かと・・・」
長い年月の間、数多くの主人に仕え、魔人は人間の性質をよく理解していた。
だが、少女は言う。
「何もしなくていいよ。ただ一緒に居て」
少女は、魔人の新しい服を用意し、毎日食事を作って魔人と一緒に食べ、他にもいろいろ魔人に気を配り、魔人を家族として扱った。
少女は、まだ小さいのに、両親は死んでいなかった。そして、彼女は病気で、命がいつまで持つか分からず、少女もそれに気付いていた。
魔人は面食らった。
これまでの主人は、魔人を得たことを理解すると、自分の欲望を満たすために、魔人をモノか奴隷のようにこき使った。
しかし、今度の主人は、何と違っていることか!自分の身すら危ういのに、私のことを心から大切にしてくれている・・・
だが、少女の病状は悪化し、命の炎が消えようとしていた。
魔人は決心する。少女の命を救うための魔法の力を集めていった。それは、魔人といえども、厳しく苦しい戦いを強いられることだった。
「どうしたの?最近、留守にすることが多いようだけど」
少女は、そんな魔人を気遣った。
「申し訳ございません、ご主人様」
「別にいいよ。お前もやりたいことがあるだろうから、好きなようにしたらいいのよ」
何度も危機に陥り、傷付きながらも、ついに魔人は少女の命をつなぐ力を得ることが出来た。そして、少女に言う。
「ご主人様、あなたは神になって下さい。その準備は出来ました」
だが、少女は魔人に微笑んで言う。
「そんなことをしたら、お前は無事では済むまい。そんなことはしなくていい」
確かに、それは、魔界の掟を破ることで、それをすると魔人は消滅するのだった。しかし、魔人はそれでいいと思っていた。
「いえ、どうしてもそうしていただきます」
すると、少女は、初めて厳しい顔をして言った。
「主は私です。主の言うことはきかなくてはいけません」
少女は思っていた。自分はずっと一人だった。だから、自分が死ぬことは、それは仕方がないと思っていた。しかし、他の誰かが犠牲になるのだけは嫌だった。
魔人は真の主を得たのだった。
これまでの主は、欲望のために破滅し、魔人は次の主人のところに移るということを繰り返した。しかし、魔人の旅は終わった。
魔人の長く暗い呪縛は、この主によって解き放たれた。
それは、人類のアセンション(次元上昇)となった。世界は永遠を得たのだった。
ひょっとしたら、気付いた人がいるかもしれないが、このお話は、「魔法少女リリカルなのは A's(エース)」(2005)のお話を参考にしたものだ。(全く同じではない)
八神はやてという、脚が悪くて歩くこともできず、病気で余命幾ばくも無いが、明るく、この上なく優しい小学3年生の少女と、彼女の元に来た3人の魔法の騎士達と一匹の聖獣の様子が、こんな感じであったと思う。
ヒロインの一人、フェイト・テスタロッサ(我が女神だ)役の声優、水樹奈々さん自身が作詞して歌った、このアニメのOP曲「ETERNAL BLAZE」は、その世界観を見事に表現した名曲である。
尚、「魔法少女リリカルなのは A's」の映画「魔法少女リリカルなのは The MOVIE 2nd 」は、2012年公開の予定らしい。
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今回のお話、泣いてしまいました。
これからも頑張って書いてください!