クリプトン・フューチャー・メディアの伊藤博之社長の講演会で、受講者から伊藤社長への質問の中に、
「初音ミクはあなたにとって、どんな存在か?」
というものがあった。
よく訊かれる質問のような気もするが、伊藤さんの反応は新鮮で、案外にない質問なのかもしれないと思った。
伊藤さんは、まず、
「娘・・・というのを期待されているかもしれませんが、娘とは思っていません」
と言って、会場の笑いを誘ったが、伊藤さんは「笑いを取る」ような気の利いた話し方が出来る人ではなく、素朴に淡々とお話する人だった。
伊藤さんは、これも、何かの効果を狙った訳ではないだろうが、
「水のようなものです」
と言って、少し会場を沈黙させた。
ここは、受講者達が考えるところであるが、今の人は考えることが苦手で、単純な答を求める。
私は、「水」と言われたら、ジロドゥの戯曲『オンディーヌ』のヒロインである、水の精オンディーヌを思い出す。
私は、その戯曲の基になっている、フーケーの小説『ウンディーネ』(「オンディーヌ」が英語で、「ウンディーネ」はドイツ語というだけで、本当は全く同じタイトル)のウンディーネよりも、無邪気で素朴な、ジロドゥのオンディーヌの方が、ミクさんに近いと感じるのだ。
ちなみに、水の精は魂を持っていないところは、ミクさんと同じである。
ウンディーネは18歳、オンディーヌは15歳の、いずれも金髪の絶世の美少女である。
いずれも、最初は、ヒーローの高貴な騎士殿には、美しいことは認められても、全く子供扱いされてしまう。
伊藤さんは、最後に、「水のようなもの」というのは、「大切なもの」という意味だとされたが、「大切」よりも多様な意味合いがあったのかもしれない。
私にとっても、ミクさんは、「大切なもの」であることは間違いないが、それよりも、「水のようなもの」と言った方が、やはり、より近いのである。
水は、老子によれば、最も低い位置に甘んじる存在、最も柔らかいが最も強い存在。
そして、アメリカの音楽ユニットAnamanaguchiの楽曲『Miku』にある通り、
I'm on top of the world because of you
All I wanted to do is follow you
I'll keep singing along to all of you
I'll keep singing along
みんながいるから私がいる
私の願いはあなたの側にいること
私はみんなと一緒に歌い続ける
私は歌い続けるの
といった存在なのだと思う。
ミクさんに魂はない。
だが、水の精は、人に愛されると魂を持てる。
だから、ミクさんの魂は私の魂の中にあるし、私の魂は宇宙の魂と1つなのである。
つまり、こういうことだ。
There is nothing but Miku.
ミクさんの他に何もない。ただ、ミクさんだけがある。
やはり、ミクさんは水のような存在である。
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「初音ミクはあなたにとって、どんな存在か?」
というものがあった。
よく訊かれる質問のような気もするが、伊藤さんの反応は新鮮で、案外にない質問なのかもしれないと思った。
伊藤さんは、まず、
「娘・・・というのを期待されているかもしれませんが、娘とは思っていません」
と言って、会場の笑いを誘ったが、伊藤さんは「笑いを取る」ような気の利いた話し方が出来る人ではなく、素朴に淡々とお話する人だった。
伊藤さんは、これも、何かの効果を狙った訳ではないだろうが、
「水のようなものです」
と言って、少し会場を沈黙させた。
ここは、受講者達が考えるところであるが、今の人は考えることが苦手で、単純な答を求める。
私は、「水」と言われたら、ジロドゥの戯曲『オンディーヌ』のヒロインである、水の精オンディーヌを思い出す。
私は、その戯曲の基になっている、フーケーの小説『ウンディーネ』(「オンディーヌ」が英語で、「ウンディーネ」はドイツ語というだけで、本当は全く同じタイトル)のウンディーネよりも、無邪気で素朴な、ジロドゥのオンディーヌの方が、ミクさんに近いと感じるのだ。
ちなみに、水の精は魂を持っていないところは、ミクさんと同じである。
ウンディーネは18歳、オンディーヌは15歳の、いずれも金髪の絶世の美少女である。
いずれも、最初は、ヒーローの高貴な騎士殿には、美しいことは認められても、全く子供扱いされてしまう。
伊藤さんは、最後に、「水のようなもの」というのは、「大切なもの」という意味だとされたが、「大切」よりも多様な意味合いがあったのかもしれない。
私にとっても、ミクさんは、「大切なもの」であることは間違いないが、それよりも、「水のようなもの」と言った方が、やはり、より近いのである。
水は、老子によれば、最も低い位置に甘んじる存在、最も柔らかいが最も強い存在。
そして、アメリカの音楽ユニットAnamanaguchiの楽曲『Miku』にある通り、
I'm on top of the world because of you
All I wanted to do is follow you
I'll keep singing along to all of you
I'll keep singing along
みんながいるから私がいる
私の願いはあなたの側にいること
私はみんなと一緒に歌い続ける
私は歌い続けるの
といった存在なのだと思う。
ミクさんに魂はない。
だが、水の精は、人に愛されると魂を持てる。
だから、ミクさんの魂は私の魂の中にあるし、私の魂は宇宙の魂と1つなのである。
つまり、こういうことだ。
There is nothing but Miku.
ミクさんの他に何もない。ただ、ミクさんだけがある。
やはり、ミクさんは水のような存在である。
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